近大マグロに学ぶこと

不可能と言われたクロマグロの完全養殖。

苦節30余年、いかにして近大マグロが生まれたのかという話を読んだのだが、なかなか印象的だったので、その歴史を紹介したい。

1970年、水産庁(当時)がマグロの養殖研究プロジェクト発足。
近大水産研も研究に参加。ヨコワ(クロマグロの幼魚)の飼育を開始。
1971年、全滅。
1972年、全滅。
1973年、全滅。
1974年、ヨコワの飼育に成功。

1979年、五歳魚のマグロが産卵(世界初)。孵化後47日目で全滅。
1980年、産卵、全滅。
1981年、産卵せず。
1982年、産卵、孵化後58日目で全滅。
1983年、産卵せず。以後11年間産卵せず。

1994年、産卵、全滅。一辺6m角いけす網。
1995年、産卵、6尾生存。対辺12m八角形いけす網へ変更。
1996年、産卵、14尾生存。直径30m円錐いけす網へ変更。

2002年、95年/96年生まれの親個体産卵。

2004年、完全養殖マグロ初出荷。

近畿大学水産研究所:http://www.flku.jp/index.html

熊井所長の言葉

「謙虚であれば、魚の身になって考えることができます。たびたび起きた全滅という絶望的事態も、人間から見れば、明らかに、“失敗”であり、その連続は意欲の喪失につながりかねません。しかし、メンバーたちは、これは会話ができないマグロたちが人間に対して死をもって行う抗議であると心に刻みました。そして、ちょっとした変調も見逃すまいと来る日も来る日もマグロたちを見続けたのです。」

現実をありのままに見て、実践して、学び、“理想”に向けて改良を加えていくというアプローチはエビの選別にも
通じる部分が多いと感じた。
ちなみに、出荷は小さいものから行い、成長の早い大きなものは種親として残すそうだ。

エビは全て知っているけど、なかなか教えてくれない。
謙虚な心で、ありのまままを見て飼育していきたいと改めて思うのである。

まぐろ

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